【熊本防火設備点検】火災時の安全を守るために必要な点検とは
目次
■ 防火設備点検とは
防火設備点検とは、火災時に建物の被害を最小限に抑えるための重要な保守業務です。
ここでいう「防火設備」とは、火災の拡大を防ぐために設けられている防火シャッター、防火戸、ドレンチャーなどの設備を指します。
これらは平常時には目立たない存在ですが、火災発生時には人命や財産を守る最後の砦として機能します。
そのため、正常に動作する状態を維持しておくことが法律で義務付けられています。
■ なぜ防火設備点検が必要なのか
防火設備は、普段はほとんど作動することがありません。
しかし、長期間の使用や経年劣化により、次のような不具合が発生することがあります。
- 自動閉鎖装置の作動不良
- 感知器・信号装置の断線や誤作動
- シャッターや防火戸の動作不良・異音
- 落下防止装置やガイドレールの損傷
こうした不具合を放置すると、火災時に扉やシャッターが閉まらない・煙を遮断できないといった致命的な事態を招きます。
そのため、建築基準法第12条に基づき、定期的な点検・報告が義務づけられています。
安全の確保だけでなく、建物の法令適合やテナント・利用者からの信頼維持のためにも欠かせません。
■ どんな建物で点検が必要か
防火設備点検は、以下のような多くの建築物で必要とされています。
- 不特定多数の人が出入りする施設(商業施設、病院、学校、劇場など)
- 集合住宅・マンション
- オフィスビル・複合施設
- ホテル・宿泊施設
- 工場・倉庫などの事業用建物
特に、特定建築物(建築基準法で定められた建物)や、延べ面積が一定以上の建築物では、年1回の防火設備定期検査報告が義務付けられています。
■ 点検の実施と報告
点検は、有資格者(防火設備検査員)が実施します。
検査では、設備が設計どおりに作動するか、閉鎖や遮煙の性能が確保されているかを確認します。
点検後は、所管の特定行政庁へ報告書を提出する必要があります。
この報告を怠ると、行政指導や是正命令の対象となる場合もあります。
■ まとめ
防火設備は、「普段は見えないが、いざという時に命を守る」大切な設備です。
熊城防災総研では、法令に基づいた確実な点検と丁寧な報告を通じて、建物の安全性を維持し、安心できる環境づくりをお手伝いしています。