防火対象物点検の対象

防火対象物点検は、建物の安全管理体制が適切に運用されているかを確認するために行われます。主に次の建物が対象です。

1. 特定防火対象物（収容人数300人以上）

• 劇場、映画館、百貨店、病院、ホテルなど
• 複合用途建物の一部が上記用途に該当する場合も含まれます

2. 特定防火対象物（条件を満たす建物）

• 収容人数が30人以上300人未満で、次のいずれかに該当する建物
• 不特定多数が利用する用途（劇場、飲食店、百貨店など）が地階または3階以上にある場合
• 避難階から地上に通じる屋内階段が1つしかない場合（屋外階段は除く）

3. 非特定防火対象物

• 延べ面積が1,000㎡以上で、消防長または消防署長が指定したもの
• 小学校、中学校、工場、事務所など

点検の目的

防火対象物点検の目的は、火災発生時に人命や財産を守るための管理体制が整備されているかを確認することです。

適切な防火管理体制が維持されていることで、火災発生時も迅速で安全な対応が可能となります。

点検内容の主な項目

1. 管理体制の確認（ソフト面）

• 防火管理者の配置状況
• 消防計画や避難計画の作成・運用
• 避難訓練の実施状況

2. 避難経路・安全設備の確認

• 避難通路や非常口の確保
• 避難経路表示や誘導灯の点灯確認

3. 消防設備点検との違い

防火対象物点検は管理体制や計画などのソフト面に焦点を当てています。

一方、消防設備点検は消火器や自動火災報知設備などの設備そのものの機能（ハード面）を確認する点で異なります。

防火対象物点検の重要性

定期的な点検により、防火管理の不備や火災リスクを早期に発見できます。

日常では気づきにくい管理体制の問題も、点検を通して改善可能です。

これにより、建物利用者の安全と財産を確実に守ることができます。