【熊本消防設備点検】消火器の耐圧試験とは?古い消火器の危険性について
目次
消火器の耐圧試験とは
消火器の耐圧試験(たいあつしけん)とは、消火器の本体容器に所定の水圧をかけ、変形・損傷・漏れなどが発生しないかを確認する検査です。
内部には消火薬剤や圧縮ガスが封入されており、経年によって金属部分が劣化すると、破裂などの事故につながるおそれがあります。
この試験は、2011年に発生した古い消火器の破裂事故を受けて制度が見直され、製造から10年が経過した消火器(※一部例外を除く)に実施が義務付けられました。
耐圧試験の目的
- 安全性の確保老朽化した容器が使用中に破裂するリスクを防ぐために行われます。
- 容器の強度確認消火器の本体が、所定の圧力に十分耐えられる構造を維持しているかを検証します。
過去の事故事例
耐圧試験の重要性を示す事例として、以下の事故が報告されています。
- 大阪府屋外駐車場に長年放置されていた消火器が、子どもが触れた際に破裂し、重傷を負わせました。
- 北海道(帯広)店舗で点検中、底面が腐食していた消火器が破裂し、点検作業者が顔面を直撃され死亡しました。
- 愛知県(名古屋)廃棄のためにレバーを操作したところ、錆びていた底が破裂し、破片が顔に当たる事故が起きました。
- 兵庫県(姫路)火災現場で使用しようとした際、製造から長年経過して腐食していた消火器が破裂し、従業員が負傷しました。
これらの事故は、いずれも古くなった消火器や腐食した容器が原因で発生しています。
耐圧試験や適切な交換を行うことで、こうした事故は未然に防ぐことが可能です。
試験の対象となる消火器
- 事業所など設置が義務付けられている建物製造から10年を経過した消火器は、耐圧性能点検(水圧試験)が義務となり、
その後は3年ごとに再点検が必要です。
- 一般住宅に設置されている消火器家庭用の場合は法的義務はありませんが、製造から10年を超えたものは、
耐圧試験の実施または、点検が不要な住宅用消火器への交換が推奨されています。
- 外観点検で異常がある消火器本体に錆、腐食、変形などが見られる場合は、製造年に関係なく耐圧試験を行う必要があります。
試験に不合格となった場合
耐圧試験に合格しなかった消火器は、安全上の理由から再使用することはできません。
また、耐圧試験には専門的な手間と費用がかかるため、新品への交換の方が経済的な場合が多くあります。
そのため、実務上は「製造から10年を目安に交換」することが一般的です。
熊城防災総研の対応内容
株式会社熊城防災総研では、消火器に関する以下の業務を行っています。
- 消火器の定期点検および外観確認
- 耐圧試験の実施または交換提案
- 不適合品の回収・廃棄処理(リサイクルシール対応)
- 法令に基づく設置状況の確認と改善提案
熊本市内および近郊エリアにおいて、事業所・マンション・学校など幅広い建物に対応しています。
安全性と法令遵守を両立し、地域の安心を支える防災体制づくりをサポートいたします。