【熊本消防訓練】火災発生時に慌てないために──通報訓練の目的と実施ポイント
火災や災害が発生した際、いち早く消防機関へ状況を伝える「119番通報」は、被害を最小限に抑えるための最初の行動です。
その正確さと迅速さを身につけるために行われるのが「通報訓練」です。実際の通報手順を再現することで、緊急時でも落ち着いて対応できる力を養います。
目次
■ 通報訓練の目的
通報訓練の主な目的は、火災発生時に誰もが冷静に行動できるようにすることです。
訓練を通じて、以下のような力を身につけます。
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火災時に落ち着いて119番通報ができるようになる
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消防機関へ正確かつ迅速に情報を伝えられるようにする
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消火活動の早期開始を支援する
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火災発見者としての通報義務を果たす
このように、通報訓練は「初動対応の第一歩」として重要な位置づけにあります。
■ 通報訓練のポイント
通報の基本は、落ち着いて必要な情報を順番に伝えることです。訓練では以下の点を重点的に確認します。
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「火災」か「救急」かを最初に伝える
例:「火災です」「救急です」と明確に伝えます。
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住所を正確に伝える
建物の住所や、目印になる施設(例:「〇〇郵便局の隣」など)を事前に確認しておきましょう。
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落ち着いて質問に答える
一方的に話すのではなく、オペレーターの質問に順を追って答えることが大切です。
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状況を具体的に伝える
「どこが燃えているのか」「けが人はいるのか」など、状況をできるだけ正確に説明します。
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通報者の名前と連絡先を伝える
最後に自分の名前と電話番号を伝え、必要があれば再度連絡を受けられるようにします。
■ 訓練の実施方法
通報訓練は、防火管理者の責務として消防計画に基づき実施が求められています。
実施にあたっては、次の点を意識しましょう。
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消防計画に沿って定期的に実施する
建物によっては年に1回以上の通報訓練が義務付けられています。
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消防署の了解を得て行う
実際の119番通報を模擬的に行う際は、必ず事前に消防署の了解を得ましょう。
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他の訓練と組み合わせて実施する
消火訓練や避難誘導訓練とあわせて行うことで、より実践的な防災意識が身につきます。
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改善点を記録して次回に活かす
訓練後には反省会を開き、課題を整理して次回に反映することが重要です。
通報訓練は、普段意識しにくい「最初の行動」を実際に体験する貴重な機会です。
万一の際にも慌てずに行動できるよう、日頃から訓練を通じて備えておきましょう。