【熊本消防点検】消火器点検の重要性と正しい方法

はじめに

私たちの生活空間のあらゆる場所──オフィス、学校、店舗、マンションなどで目にする消火器。

普段は気にも留めない存在ですが、火災が発生したとき、初期消火の成否を左右する重要な消防用設備です。

この消火器には、消防法によって定期的な点検が義務付けられていることをご存じでしょうか?

この記事では、消火器点検の目的や内容、点検周期、交換・処分の注意点までをわかりやすく解説します。


消火器の点検は消防法で義務付けられています

消火器の設置や点検は、消防法第17条の3の3に基づいて義務付けられています。

建物の所有者・管理者・占有者は、定められた周期で消火器の点検を行い、その結果を消防署へ報告しなければなりません。

🔹 点検周期

  • 6か月に1回以上:「機器点検」を実施

  • 点検結果の報告:建物規模により年1回または3年に1回

🔹 点検の内容

  • 設置状況:取り出しやすく、標識が見やすい場所か

  • 外観点検:変形・腐食・破損・封印の有無など

  • 機能点検耐圧試験:製造から一定年数を経過したものは内部状態・圧力性能等を確認

これらを怠ると、消防法第44条により30万円以下の罰金や拘留が科せられる可能性もあります。

定期的な点検は、万一の際に確実に使える状態を維持するための大切な管理行為です。


消火器点検の流れとチェック項目

実際の点検は、以下のような流れで行われます。

✅ 外観・設置確認

  • 製造年月の確認

  • 本体の変形・サビ・塗装の剥がれの有無

  • 圧力ゲージ(蓄圧式)の指示針位置

  • ホースやノズルの破損・詰まり

  • 設置高さ(床面から1.5m以下)・標識の見やすさ

✅ 機能点検・耐圧試験

  • 機能点検:内部の薬剤状態、実際の放射試験などを確認

  • 耐圧試験(水圧試験):容器の強度・気密性を確認

これらは通常、乙種第6類消防設備士または消防設備点検資格者が実施します。

小規模建物の場合は、自主点検も可能ですが、正しい知識が必要です。


製造年からの経過による追加点検

消火器には「設計標準使用期限」があり、業務用ではおおむね10年が目安です。(住宅用は約5年)

ただし、点検で安全性が確認されれば、それを過ぎても継続使用が可能です。

🔹 点検基準の目安

これらの点検によって、薬剤の変質や容器の劣化を早期に発見することができます。


消火器の交換と処分のポイント

設計期限を過ぎても点検結果が良好であれば使用可能ですが、

内部・機能点検」や「耐圧性能点検」には手間と費用がかかります。

そのため、

  • 古い消火器の点検コスト

  • 新品交換のコスト

    を比較したうえで、交換のほうが経済的となる場合もあります。

🔹 処分の注意

消火器は一般ゴミとして廃棄することはできません。

処分方法は以下の通りです:

  • 消火器販売店などの特定窓口に引き取り依頼

  • 消火器リサイクル推進センターの指定引取場所へ持ち込み

  • ゆうパックによる回収(家庭用のみ)

決してご自身で分解や放射は行わず

、安全な方法で処分してください。


まとめ

消火器は「置いてあるだけ」では十分ではありません。

いざというときに確実に作動するよう、定期的な点検と報告が欠かせません。

消火器の維持管理では、

  • 半年ごとの機器点検

  • 経年に応じた機能点検・耐圧試験

    を正しく実施し、安全性を確保することが大切です。

熊城防災総研では、消防設備士による消火器点検・機能点検耐圧試験を含むトータル点検を実施しています。

建物の規模や状況に応じた最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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