【熊本消防点検】消防法に基づく「屋内消火栓」の設置基準とは?
目次
屋内消火栓とは
屋内消火栓とは、建物内部に設置される消火用の設備で、火災発生時に初期消火を行うための重要な消防設備です。
壁面に設置された箱(消火栓箱)の中には、ホース・ノズル・バルブなどが格納されており、ボタン操作で加圧送水装置(ポンプ)を起動して放水します。
火災報知設備と連動しており、いち早く初期消火を行うための「建物の中の消防署員」ともいえる存在です。
設置基準の概要
屋内消火栓の設置義務は、消防法施行令別表第一に基づいて防火対象物の用途と面積によって決まります。
|
用途(例) |
一般階の基準面積 |
地階・無窓階・4階以上の階 |
|---|---|---|
|
劇場・映画館など(1項イ) |
延べ500㎡以上 |
各階100㎡以上 |
|
百貨店・病院・旅館など |
延べ700~1000㎡以上 |
各階150㎡以上 |
|
倉庫・工場など |
延べ700㎡以上 |
各階150 ㎡以上 |
たとえば、準耐火構造の倉庫(14項)の場合、基準面積700㎡ → 緩和後1400㎡となり、設置義務が発生するのは1400㎡以上となります。
屋内消火栓の種類と特徴
|
種類 |
放水量 |
操作性 |
主な設置先 |
|---|---|---|---|
|
1号消火栓 |
130ℓ/分以上 |
2人で操作 |
倉庫・工場など |
|
易操作1号 |
130ℓ/分以上 |
1人で操作可 |
一般施設 |
|
2号消火栓 |
60ℓ/分以上 |
1人で操作可 |
ホテル・商業施設など |
|
広範囲型2号 |
80ℓ/分以上 |
1人で操作可 |
オフィスビルなど |
近年では、天井格納型(自動降下式)なども登場しており、省スペース化と迅速な操作が可能になっています。
消火栓箱に必要な装備
屋内消火栓箱には、以下の装置が備えられている必要があります。
-
標示灯(位置表示灯):10m離れた位置からでも視認可能な赤色灯
-
始動表示灯:ポンプ作動時に点滅(停止時は点灯)
-
放水器具:消防庁認定のノズル・ホース(日本消防検定協会の自主表示品)
格安品の中には認定外製品もあり、検定品でないホースは法的に設置されていない扱いになるため注意が必要です。
設置免除が認められるケース
屋内消火栓の設置基準に該当していても、以下の条件を満たせば免除が認められます。
-
同一範囲にスプリンクラー設備が設置されている
-
屋外消火栓や動力消防ポンプが有効範囲をカバーしている(1~2階に限る)
これらがある場合、消防署との協議の上で屋内消火栓の省略が可能です。
使用手順(概要)
-
起動ボタンを押してポンプを作動
-
扉を開けてホースを延ばす(バルブはまだ開けない)
-
ノズルを火元に向ける
-
バルブをゆっくり開けて放水開始
-
放水して初期消火
-
消火後はバルブを閉めてポンプを停止
使用時の注意点
-
火勢が強い場合は無理せず避難
-
定期的な防火訓練で実践練習を行う
-
扉や箱の内側にある操作説明を事前に確認
まとめ
屋内消火栓は、建物の用途や構造、面積によって設置が義務付けられる重要な消防設備です。
設置義務の判断・免除・緩和には、消防署との事前協議が欠かせません。
点検・整備を怠ると、いざという時に作動しないリスクがあるため、定期的な点検と訓練を徹底しましょう。