消火栓ホースの耐圧試験とは?【熊本消火栓ホース耐圧試験】―10年後から必要になる重要な点検を徹底解説―
屋内消火栓のホースは、いざという時に確実に水を放出できなければ意味がありません。
その性能を維持するため、製造から10年が経過したホースには耐圧試験が義務付けられ、その後は 3年ごとに継続して実施 する必要があります(※易操作性1号・2号の保形ホースは除外)。
本記事では、耐圧試験の目的や流れ、交換との費用比較、おすすめの更新タイミングまで、わかりやすくまとめました。
消火栓ホースの耐圧試験とは?
耐圧試験とは、ホースが規定の水圧に耐えられるかを確認する法定点検 です。
消防法(消防法第17条)に基づき、以下の場合に実施が必要です。
目次
●耐圧試験の義務
-
製造から 10年経過したホース →耐圧試験を必ず実施
-
その後は 3年ごとに継続
-
新品交換した場合 → 10年間は耐圧試験が免除
●耐圧試験が不要な例外
-
易操作性1号消火栓ホース
-
易操作性2号消火栓ホース
耐圧試験の流れ
耐圧試験は消防設備点検の専門業者が以下の手順で実施します。
-
ホースを取り出し耐圧試験機にセット
-
ポンプで規定圧力まで加圧
-
圧力計を確認しながら漏水・滴下がないかチェック
-
合否判定
-
異常なし → 合格(継続使用可)
-
滴下・漏水・金具の異常 → 不合格(交換が必要)
-
この試験により、ホース内部の劣化や金具のゆるみなど、通常では見つからない不具合を確実に発見できます。
耐圧試験に落ちたらどうなる?交換のタイミングは?
耐圧試験に 合格 → そのまま使用OK
不合格 → ホースの交換が必須
ここで悩みやすいのが、
「耐圧試験と交換、どちらがお得?」 という点です。
耐圧試験と新品交換のコスト比較
●耐圧試験のメリット・デメリット
メリット
-
初期コストが安い
-
合格すれば3年間使用可能
デメリット
-
不合格になると 試験代+新品代が重なる
-
設置環境によっては劣化が早く交換頻度が増える
●新品ホース交換のメリット・デメリット
メリット
-
交換後 10年間は耐圧試験が不要
-
劣化リスクが低いので運用がラク
-
長期的にみるとコストが安くなる場合も
デメリット
-
初期費用は耐圧試験より高め
どっちがお得?実務経験からみたおすすめ判断
弊社にも「試験と交換どっちが安い?」と多くのお問い合わせがあります。
★弊社の基準(参考)
-
基本:耐圧試験を3年ごとに実施する方がコストは低い
-
ただし、漏水などがあれば交換代が追加され、試験より高くなる場合も
-
特に 65Aホースは1本あたりの単価が高く負担も大きめ
★劣化しやすい環境の特徴
-
屋外設置
-
直射日光が当たる
-
湿気がこもりやすい
こういった環境では10年~15年でも劣化が進んでいるケースが多いです。
★逆に屋内で環境の良い場合は?
-
10年経過しても不具合がほとんど出ない
-
しかし20年を超えると外観からも劣化が見えてくる
-
実際、20年目以降の試験で漏水が出るケースはある
おすすめ運用
●コストと安全を両立するなら
10年~20年:3年ごとに耐圧試験
20年超え:新品交換
このサイクルが、安全性と費用のバランスが最も良いと感じています。
最近は「10年ごとにまとめて交換」という施設も増えていますが、
見た目が綺麗なホースでも内部は劣化していることがあり、判断が難しいところです。
まとめ:迷ったら一度相談を
-
「交換をすすめられたけど本当に必要?」
-
「耐圧試験をしたらいくら?」
-
「複数本あるけど全部交換した方がいい?」
そんな疑問があれば、ぜひ一度ご相談ください。
設置環境・劣化具合・コストを踏まえ、お客様に最適な方法をご提案いたします。