【熊本消防設備】屋外消火栓設備とは?屋内消火栓との違い・仕組み・設置基準を実務目線でわかりやすく解説

建物の防災設備の中でも、「屋外消火栓設備」は少し影が薄い存在かもしれません。

しかし実際には、初期消火から大規模火災まで幅広く対応でき、消防隊も使用する重要な設備です。

点検や工事の現場では

  • 「屋内消火栓とは何が違うのか?」

  • 「どこまで有効なのか?」

  • 「なぜ半径40mなのか?」

といった質問を受けることも多くあります。

本記事では、屋外消火栓設備の役割・仕組み・設置基準・実務上の注意点を、現場目線でわかりやすく解説します。


屋外消火栓設備とは?

屋外消火栓設備とは、建物の外部から放水を行うための消火設備です。

屋内消火栓が主に建物内部の初期消火を目的としているのに対し、屋外消火栓は以下の役割を担います。

  • 建物外部からの消火活動

  • 隣接建物への延焼防止

  • 中期〜大規模火災への対応

  • 消防隊到着前後の消火活動支援

特に重要なのが、消防隊も使用する設備であるという点です。

そのため、屋外消火栓は一般的な消火設備よりも、水量・放水能力ともに高い性能が求められます。


屋内消火栓設備との違い

屋外消火栓と屋内消火栓は、構成が似ているため混同されがちですが、明確な違いがあります。

① 消火対象の違い

  • 屋内消火栓:建物内部の初期火災

  • 屋外消火栓:建物外部・延焼防止・大規模火災

② 放水能力の違い

屋外消火栓は、屋内消火栓よりも

  • 放水圧が高い

  • 放水量が多い

という特徴があります。

これは、周囲の建物への延焼防止や、広範囲への放水が必要になるためです。

③ 有効範囲の違い

屋外消火栓は、建物の1階・2階部分の消火を想定しています。

そのため、高層階や地下階に対しては、効果的な消火ができません。

この点は、設計や説明時に誤解されやすいポイントです。


屋外消火栓設備の基本構成

屋外消火栓設備は、主に以下の要素で構成されています。

  • 水源(地下水槽・高架水槽など)

  • 加圧送水装置(消火栓ポンプ)

  • 屋外消火栓

  • 配管

  • ホース・ノズル・ホース格納箱

構成自体は屋内消火栓と似ていますが、屋外に設置されるため、耐久性・防護対策が重要になります。


設置基準で重要なポイント①|水量と放水能力

屋外消火栓では、設置数に応じて1基あたり7㎥以上が基本で、最大2栓同時使用を想定し14㎥以上確保します。

複数設置される場合は、その数に応じて必要水量が増加します。

また、放水性能は

  • 放水圧:0.25〜0.6MPa

  • 放水量:毎分350L

とされており、消防活動を前提とした能力が求められます。


設置基準で重要なポイント②|ホース・ノズル

屋外消火栓には、以下の器具を備える必要があります。

  • ホース:呼称50または65

  • 長さ:1本20mを2本以上

  • ノズル:口径19mm以上

屋内消火栓と比べ、ホース径が太く、放水量が大きいのが特徴です。


設置基準で重要なポイント③|配置と半径40mルール

屋外消火栓は、消火栓を中心とした半径40mの円で建物全体をカバーできるように配置します。

ここで重要なのは、

👉 歩行距離ではなく、放水可能範囲で判断する

という点です。

そのため、配置計画では

  • 障害物の有無

  • 建物外壁の形状

  • 放水方向

なども考慮する必要があります。


屋外消火栓の設置方式

屋外消火栓には、主に以下の方式があります。

  • 地上式消火栓

  • 地下式消火栓

地下式消火栓の特徴

地下式消火栓では、

  • 地上から「大箱廻し」で開閉

  • ピット内に弁・配管を収納

といった特徴があります。

積雪地や景観配慮が必要な場所では、地下式が採用されるケースも多く、排水・防水対策が重要になります。


実務で注意したいポイント

現場で特に注意すべき点は以下です。

  • 車両荷重への対策(配管・弁の保護)

  • 排水不良による凍結・腐食

  • ホース格納箱の位置(消火栓から5m以内が目安)

  • 表示・標識の劣化や視認性低下

屋外設備は、環境の影響を強く受けるため、点検時の確認が非常に重要です。


まとめ

屋外消火栓設備は、

建物を守るだけでなく、周囲の安全を守るための重要な防災設備です。

屋内消火栓との違いを正しく理解し、

  • 設置目的

  • 有効範囲

  • 性能

  • 維持管理

を把握することが、安全で確実な防災につながります。

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