【熊本消防設備】自動火災報知設備の受信機とは ― 構成・種類とP型1級受信機の役割を実務目線で解説

受信機とは何をする設備か

自動火災報知設備において、受信機はいわば「司令塔」の役割を果たします。

感知器や発信機から送られてきた火災信号を受信し、火災が発生した場所を表示するとともに、

音響装置を鳴動させて関係者へ知らせる装置が受信機です。

法令上は、火災信号だけでなく、ガス漏れ信号を受信する機能を兼ねてもよいとされており、

建物によっては火災・ガス漏れの双方を統合管理する中枢として設置されています。

自動火災報知設備において、受信機は「司令塔」ともいえる中枢機器です。

感知器や発信機から送られてくる火災信号を受信し、警報を発するとともに、火災発生区域を表示します。

ここで重要なのは、信号を送る側である感知器の仕組みです。

受信機の理解は、感知器の種類や設置基準を知ることで、より実務的に理解できます。

詳しくはこちら👉 感知器の種類と設置基準


受信機を構成する主な要素

受信機は単なる表示盤ではなく、内部には多くの機能が組み込まれています。

電源部、表示回路、音響回路、各種試験回路、継電器などを内蔵し、

さらに停電時でも一定時間作動できるよう、予備電源(蓄電池)を備えています。

このため、受信機は非常時でも確実に動作し続けることが求められる設備であり、

設置・更新・点検においても特に高い信頼性が要求されます。


受信機と連動できる設備の範囲

受信機は、他の防災設備と連動することで真価を発揮します。

ただし、どの設備でも自由に接続できるわけではありません。

原則として連動できるのは、

屋内消火栓設備やスプリンクラー設備、非常ベルや放送設備、

巡回表示装置、防火戸・防火ダンパーなどに限られています。

受信機の機能に悪影響を与えるおそれのある装置を、

むやみに接続してはならない点は、実務上とくに注意が必要です。


受信機はどこに設置されるのか

受信機は、常時人がいる場所、または防災センター(中央管理室)に設置されます。

とくに防災センターの設置が義務付けられている建物では、

受信機も原則としてその中に設置しなければなりません。

また、操作スイッチの高さには基準があり、

床面から0.8m以上1.5m以下(椅子操作の場合は0.6m以上)と定められています。

防災センターの役割と、なぜ受信機がそこに集約されるのかについては、こちらで詳しく解説しています。

詳しくはこちら👉 防災センターの役割と設置基準


受信機の種類と分類

受信機にはいくつかの分類がありますが、

実務で押さえておくべきなのは P型受信機 です。

P型受信機は、火災信号を共通信号として受信し、

警戒区域ごとに地区表示灯を点灯させる方式の受信機です。

このP型受信機は、接続できる回線数(警戒区域数)に応じて、

1級・2級・3級に分けられています。

受信機の中でも、実務で最も多く使われているのが P型受信機 です。

この方式は長年採用されてきた従来方式で、多くの建物で導入されています。

一方で、近年は配線を削減できる R型受信機 も増えてきています。

P型とR型の違いを知ることで、受信機の分類が非常に分かりやすくなります。

詳しくはこちら👉 R型受信機とは?P型との違い


最も多く使われている「P型1級受信機」

実務で最も多く採用されているのが、P型1級受信機です。

P型1級受信機は、接続できる警戒区域数に制限がなく、

中規模から大規模建築物まで幅広く対応できます。

火災信号を受信すると、

まず火災灯が点灯し、該当する地区表示灯が点灯、

同時に音響装置が鳴動するという、明確な流れで警報が行われます。

この「警戒区域」という考え方を理解すると、なぜP型1級が主流なのかが明確になります。

詳しくはこちら👉 警戒区域とは?区分の考え方


P型2級・3級受信機との違い

P型2級受信機は、接続できる回線数が5回線以下に制限されており、

小規模な建物向けの受信機です。

P型3級受信機は、さらに簡易な構成で、

延べ面積が小さい防火対象物に限定して設置が認められています。

建物規模が大きくなるほど、

自然とP型1級受信機が選定される理由がここにあります。


蓄積式・非蓄積式・二信号式とは

受信機には、信号処理方式の違いもあります。

非蓄積式は、火災信号を受信してから短時間で警報を出す方式、

蓄積式は一定時間信号を蓄積してから火災表示を行う方式です。

さらに二信号式受信機では、

第1報で注意喚起、第2報で本格的な警報を出すといった段階的な運用が可能です。


受信機は防災設備全体の「要」

受信機は、感知器や発信機、音響装置など、

すべての自動火災報知設備を統括する中枢です。

特にP型1級受信機は、

規模の大きな建物において不可欠な存在であり、

設計・施工・点検のすべてにおいて、正確な理解が求められます。

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・警戒区域とは?区分の考え方
・R型受信機とは?P型との違い
・防災センターの役割と設置基準
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