【熊本消防設備】ガス設備がない建物でもガス漏れ火災警報設備は必要?仕組みと設置理由を解説

ガス設備がないのに「ガス漏れ警報設備が必要」と言われる理由

「この建物、ガス使ってないので警報設備は不要?」

消防法上はガス設備の有無だけで設置要否は決まりません。

ガス漏れ火災警報設備は、

ガスを使っている建物に付ける設備ではなく、

可燃性ガスが発生するおそれがある場所に付ける設備なのです。


可燃性ガスは「ガス配管」からだけ発生するわけではない

法律上、設置が必要となる条件の一つがこれです。

可燃性ガスが自然発生するおそれがある場所

具体的には、

  • 地中からメタンガスが自然発生する地域

  • 下水・汚泥・廃棄物などが長時間滞留する場所

  • 地下ピット、地下室、半地下構造

  • 排水槽、雑排水槽、汚水槽周辺

こういった場所では、ガス設備が一切なくても

メタンガスが建物内へ侵入・滞留し、爆発濃度に達する可能性があります。

つまり、「ガスを使っていないから安全」ではなく
「ガスが発生しないとは言えない構造だから危険」

という考え方です。


警戒区域の考え方

ガス漏れ警報設備は、自火報と考え方がよく似ています。

ポイントは警戒区域。

ガス漏れが発生した場合に、

いち早く検知できる最小単位の区域で区切る必要があります。

  • 2以上の階にまたがって設定できない(条件付き例外あり)

  • 1警戒区域は原則600㎡以下

  • 表示灯が見通せる場合は1000㎡まで緩和あり

このルールを知らずに図面を描くと、

消防指摘がほぼ入ります。


ガス設備の「安全装置」との違い

ヒューズコック、強化ガスホース、安全接続具などは

ガス漏れを起こさないための設備

一方、ガス漏れ火災警報設備は

漏れたガスを検知する設備

役割がまったく違います。

だからこそ、ガス設備がなくても

「検知する必要」があれば設置対象になるのです。


どうやってガス漏れを検知しているのか?

ここ、かなり面白い部分です。

ガス漏れ検知器には主に3種類あります。

半導体式検知器

酸化錫などの半導体を高温に加熱しておき、

可燃性ガスが触れると電気伝導率が変化する性質を利用。

小型でブザー内蔵型が多いのが特徴。

ただし一酸化炭素は検知しません。


白金線式(接触燃焼式)検知器

可燃性ガスがセンサー表面で酸化(燃焼)するときの熱で、

白金線の抵抗値が変化することを利用。

あらゆる可燃性ガスを検知可能で、濃度指示も可能。

業務用に多いタイプです。


白金線式(気体熱伝導式)検知器

空気とガスの熱伝導率の違いを利用。

これも幅広いガスに対応できます。


システム構成は自動火災報知設備とそっくり

  • 検知器

  • 中継器

  • 受信機

  • 警報装置

  • 表示灯

ほぼ自火報と同じ構成です。

違うのは「火」ではなく「ガス」を検知するだけ。

そのため、配線や考え方も自火報に非常に近いです。


「この建物ガス使ってないので不要です」は危険な判断

地下階、ピット、排水槽がある建物では

メタンガスの滞留は現実に起きています。

実際にガス爆発事故も発生しています。

だから消防は「ガス設備の有無」ではなく
「ガスが発生し得るか」で判断します。


まとめ|ガス漏れ警報設備はガス設備用ではない

ガス漏れ火災警報設備は

ガス設備のための設備ではなく、

可燃性ガスという危険物質に対する設備です。

  • ガス設備がなくても必要な場合がある

  • 地下・排水系統のある建物は要注意

  • 警戒区域の考え方が重要

  • 検知の仕組みを知ると理解が深まる

 

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