【熊本消防設備】ガス漏れ検知器の性能基準と正しい設置位置|誤報を防ぎ検知する仕組み

ガス漏れ検知器は「臭い」に反応しているわけではない

ガス漏れ検知器は、ガスの臭いを感知しているわけではありません。

検知の基準はガスの濃度です。

しかもその濃度は、消防法で細かく規定されています。

この基準を理解すると、

  • なぜ誤報しにくいのか

  • なぜ設置位置が厳密に決まっているのか

  • なぜ検知方式が複数あるのか

その理由がはっきり見えてきます。


警報する濃度は「爆発下限界」のさらに手前

可燃性ガスは空気と混ざり、一定濃度に達すると爆発します。

これを爆発下限界といいます。

しかし、その濃度に達してから警報しても遅すぎます。

火源があれば爆発してしまうからです。

そのため検知器は、

  • 都市ガス:爆発下限界の 1/4

  • LPG:爆発下限界の 1/5

この濃度で確実に警報するよう定められています。

一方で、

  • 爆発下限界の 1/200以下 では作動しない

とも決められています。

これが誤報を防ぐ仕組みです。


誤報を防ぐ性能も法律で決められている

通常の使用環境、つまり

  • 調理の湯気

  • 油煙

  • アルコール

  • 廃ガス

これらによって容易に警報を出してはならない、と基準で規定されています。

台所で料理をしても検知器が鳴らないのは、

偶然ではなく性能基準によるものです。


警報方式は3種類ある

ガス漏れ検知器の警報方式は、次の3種類に分類されます。

即時警報型

濃度が設定値に達するとすぐに警報。

遅延警報型

設定濃度に達した後、20~60秒継続した場合のみ警報。

一瞬のガス漏れには反応しません。

反限時警報型

濃度が高いほど警報までの時間が短くなる方式。

検知器は、瞬間的なガスと継続的な危険なガスを区別しています。


設置位置は「ガスの重さ」で決まる

設置位置の基準は、ガスの比重で決まります。

空気より軽いガス(都市ガスなど)

漏れると上昇します。

  • 天井面または天井付近の壁

  • 天井から30cm以内

  • ガス器具から水平8m以内

梁などの障害物がある場合は、

ガスが滞留する側に設置する必要があります。


空気より重いガス(LPGなど)

漏れると床付近に滞留します。

  • 床から30cm以内

  • ガス器具から水平4m以内

軽いガスとは、設置位置が正反対になります。


設置してはいけない場所

次のような場所には設置できません。

  • 出入口付近(気流の影響を受ける)

  • 換気口の吹き出しから1.5m以内

  • 燃焼器具の排気に触れやすい場所

  • 維持管理が困難な場所

「取り付けやすい場所」は、必ずしも正しい場所ではありません。


なぜガス試験による点検が必要なのか

検知器は、メタンやブタンなどの点検標準ガスを使用して

定期的に作動試験を行う必要があります。

センサーは経年劣化するため、

見た目が正常でも正確に検知できないことがあります。

その確認のための試験です。


まとめ|性能基準と設置位置は密接に関係している

ガス漏れ検知器は

  • 臭いではなく濃度で判断している

  • 爆発濃度のかなり手前で警報する

  • 誤報しないように基準が定められている

  • ガスの重さで設置位置が決まる

  • 設置してはいけない場所がある

  • 定期的なガス試験が必要

これらはすべて、確実に検知し、無駄に警報しないための仕組みです。

 

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