【熊本消防設備】誘導灯・誘導標識・蓄光式誘導標識の違いとは?設置基準と役割を解説

見た目が似ているこの3つ、実はまったく別の設備です

緑色の人のマーク、矢印、EXITの表示。

どれも同じように見えますが、

  • 誘導灯

  • 誘導標識

  • 蓄光式誘導標識

この3つは、消防法上役割も構造も設置基準もまったく異なる設備です。

この違いを理解していないと、

「なぜここは電気式なのか」

「なぜここは標識だけなのか」

「なぜ床の近くに連続して設置されているのか」

といった設計意図や点検の意味が見えてきません。

実はこれらは、火災時に起こる3つの状況に対応するために使い分けられています。


誘導標識は「光らない目印」

誘導標識は照明器具ではありません。

光らない緑色の標識で、避難口の位置や避難方向を示す目印です。

明るい環境下では十分に視認できるため、多数の者の目に触れやすい位置に設け、
居室の各部分から主要な避難口を見通せること

という考え方で設置されます。

しかし当然、停電すると見えなくなります。

そのため地下街や無窓階、長いアーケードなどでは使用できません。

誘導標識には

  • 避難口に設ける「避難口誘導標識」

  • 廊下や通路に設ける「通路誘導標識」

がありますが、この段階ではまだ「光る機能」はありません。


蓄光式誘導標識は「暗闇でも見える目印」

蓄光式誘導標識は、光を蓄えて暗闇で発光するタイプの標識です。

一定の照度を一定時間受けることで、停電後も視認できるようになります。

性能により「蓄光式」と「高輝度蓄光式」に分かれ、特に高輝度タイプは誘導灯を補う役割を持ちます。

ここで重要なのが設置位置の意味です。

火災時、煙は上に溜まります。

人は煙を避けるため、自然と低い姿勢で移動します。

そのとき、天井付近の表示は見えにくくなり、床面付近に連続して配置された蓄光標識が避難の目印になります。

そのため、床や低い位置に設置されていることが多いのです。


誘導灯は「停電しても点灯し続ける照明器具」

誘導灯は標識ではなく照明器具です。

平常時は常用電源で常時点灯し、停電すると内蔵バッテリーに切り替わり、そのまま点灯を継続します。

つまり、

停電しても光り続けることで、避難方向を示す設備

これが誘導灯の本質です。

誘導灯はサイズによって

  • A級(大型)

  • B級(中型)

  • C級(小型)

に分かれ、不特定多数が利用する建物ほど大きなサイズが必要になります。


誘導灯は用途によって3種類に分かれます

誘導灯は設置場所や目的により分類されます。

避難口誘導灯

避難口の上部や直近に設けられ、出口であることを明示します。

通路誘導灯

廊下や通路に設置され、避難口までの方向を示します。

煙の影響を受けにくい位置に設けることが原則とされるため、床面や低い位置に設置されるケースが多いですが、建物の構造や条件によっては天井や高い位置に設置されている場合もあります。

客席誘導灯

劇場や映画館などの客席通路に設けられ、床面の照度を確保する役割があります。


非常照明とは役割がまったく違います

「非常照明があるから誘導灯はいらないのでは?」

これは現場で非常によくある誤解です。

非常照明は床面を照らすための照明であり、

誘導灯は避難方向を知らせるための照明です。

目的がまったく異なります。

ただし階段室に設ける通路誘導灯は、法令上非常照明を兼ねる扱いとなる場合があり、ここは実務上よく混同されるポイントです。


なぜこれらは組み合わせて設置されているのか

誘導標識・蓄光式誘導標識・誘導灯は、それぞれ単独で考えるのではなく、火災時の状況に応じて機能するように組み合わされています。

状況

有効な設備

明るいとき

誘導標識

停電時

誘導灯

煙が充満したとき

通路誘導灯・高輝度蓄光式誘導標識

この考え方で見ると、図面や現場の見え方が一気に変わります。


まとめ

誘導灯・誘導標識・蓄光式誘導標識は、似ているようで役割が明確に分かれています。

誘導標識は光らない目印。

蓄光式誘導標識は暗闇でも見える目印。

誘導灯は停電しても光り続ける照明。

そしてこれらは、火災時のさまざまな状況を想定して配置されています。

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