増築・一棟化・用途変更が消防用設備等に与える影響――既存建物を前提とした設置単位の整理

増築と設置単位の関係

既存建物に増築が行われた場合、単に増えた部分だけを評価すれば足りるとは限りません。増築は、既存部分との関係を含めて整理する必要があります。

重要なのは、増築部分をどの建物との関係で評価するのかという視点です。複数の既存防火対象物が関係する場合、増築がどの建物に属するものとして整理されるかによって、適用される設備基準が変わることがあります。


複数建物が一体となる場合の考え方

二以上の既存防火対象物が、増築部分の介在により一棟の建物として扱われる状態になることがあります。

この場合、増築部分単体の規模だけで判断するのではなく、既存建物を含めた全体をどのように評価するかが問題となります。増築の結果として一棟扱いとなる場合には、既存部分と増築部分を合わせた規模で設備基準を検討する必要があります。

どの建物を主体として整理するかについては、延べ面積の大きい建物を基準とする考え方が示されています。主体の置き方によって増築規模の評価が変わるため、この整理は重要です。


既存建物と現行基準の関係

増築の評価においては、既存建物がどの時点の基準に基づいて建築されているかも考慮されます。

ただし、単に「古い建物だから現行基準は関係ない」「増築だからすべて現行基準を適用する」といった単純な整理ではありません。増築という行為が、どの規定の枠組みに該当するのかを明確にしたうえで、既存部分との関係を整理することが必要です。

増築は既存建物の法的評価を変える可能性があるため、設置単位の再整理を伴う場合があります。


用途変更が設置単位に及ぼす影響

用途変更が行われた場合、直ちに新たな設備義務が発生するとは限りません。

重要なのは、変更後の用途が、主たる用途に対してどのような位置付けになるかという点です。例えば、事務所ビルの一部を専用駐車場に変更した場合でも、それが主たる用途の機能に従属するものであると整理されるなら、用途変更としての扱いが設備義務に直結しない場合があります。

用途変更の判断は、単なる名称の変更ではなく、用途体系上の位置付けによって行われます。


増築・用途変更に共通する整理の視点

増築や用途変更の評価では、次の視点が重要になります。

どの建物を主体として整理するのか

既存部分との関係をどのように評価するのか

用途の位置付けが変化したかどうか

これらを明確にしなければ、設備基準の適用範囲は確定しません。


まとめ

増築や一棟化、用途変更は、既存建物の設置単位を再評価させる契機となります。

増築部分のみを見て判断するのではなく、既存部分との関係を含めて全体を整理することが必要です。また、用途変更についても、主たる用途との関係を踏まえて評価することが重要です。

設置単位の整理を先に行い、その上で設備基準を適用するという順序を守ることが、判断の安定につながります。

一覧へ戻る