消火器は何㎡から必要?設置基準を数字で整理
目次
設置基準は「用途」と「面積」から判断します
消火器の設置基準は、能力単位や配置方法など複数の要素で構成されていますが、設置要否の一次判断は、防火対象物の用途区分と面積によって整理されています。
まずは、どの用途区分に該当するかを確認し、そのうえで延べ面積や階条件を順に照らし合わせていくことで、設置の要否を体系的に判断できます。
押さえておきたい三つの面積ライン
消火器の設置要否を検討する際に、特に重要となる代表的な面積基準は次の三つです。
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延べ面積150㎡以上
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延べ面積300㎡以上
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床面積50㎡以上(地階、無窓階、3階以上の階など)
これらの数値は用途区分ごとに適用のされ方が異なりますが、まずこの三つを基準軸として整理しておくと、全体像を把握しやすくなります。
用途区分により150㎡基準と300㎡基準に分かれます
消火器の設置義務は、建物用途(別表第一の区分)によって、延べ面積の判定基準が異なります。
一般的には、
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不特定多数の利用が想定される用途など → 延べ面積150㎡以上で設置対象となる区分
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学校、図書館、工場、倉庫など → 延べ面積300㎡以上で設置対象となる区分
という二つのグループに大別して整理できます。
ただし、これは理解を容易にするための整理であり、実際の判定では該当する用途区分を個別に確認する必要があります。複合用途建物の場合は、用途部分ごとの判断が必要となる点にも留意が必要です。
面積に関係なく設置が必要となる用途もあります
消火器の設置基準は面積による判断が基本ですが、用途の性質によっては、延べ面積の大小にかかわらず原則として設置対象となる区分が設けられています。
これは、不特定多数の利用が想定される用途や、人命安全上の配慮が特に求められる用途については、建物規模が小さい場合であっても初期消火体制の確保が重要と考えられているためです。
したがって、建物規模のみを根拠として設置不要と判断することは適切ではありません。用途区分の性質を確認し、面積基準による判定が適用される区分か、規模にかかわらず設置対象となる区分かを整理することが重要です。
地階・無窓階・三階以上では50㎡基準に注意
延べ面積による判断とは別に、特定の階に対してより厳しい基準が適用される場合があります。
代表的なものとして、地階、無窓階、三階以上の階などが挙げられます。これらの階では、当該階の床面積が50㎡以上となる場合に、消火器の設置対象として整理されることがあります。
建物全体の延べ面積のみで判断すると、この階条件を見落とす可能性があるため、階ごとの確認が重要となります。
少量危険物・指定可燃物がある場合
面積基準とは別に、少量危険物を指定数量の五分の一以上貯蔵または取り扱う場合や、指定可燃物を一定数量以上取り扱う場合には、火災危険性に着目して消火器の設置対象となります。
この判断は建物用途や延べ面積とは独立して行われる点が重要です。用途変更や保管物の内容変更により該当することもあるため、対象物の実態を踏まえて確認する必要があります。
設置後は歩行距離二十メートル以内で配置します
消火器の設置義務が生じた場合、次に重要となるのが配置方法です。
消火器は、防火対象物の各部分から消火器までの歩行距離が二十メートル以内となるように配置することが基本とされています。ここでいう歩行距離は、図面上の直線距離ではなく、実際の通行経路に沿った距離で判断します。
必要能力単位を満たしていても、到達しにくい位置に偏って配置されている場合には、実効性が確保されないおそれがあるため、配置計画まで含めて確認することが重要です。
まとめ
消火器の設置要否は、まず用途区分を確認し、延べ面積150㎡または300㎡の基準に該当するかを確認することから整理します。さらに、地階、無窓階、三階以上の階では、床面積50㎡の基準が別途関係するため、階ごとの確認も欠かせません。
また、少量危険物(指定数量の五分の一以上)や指定可燃物を取り扱う場合には、面積に関係なく設置対象となる点にも注意が必要です。
設置が必要となった場合は、各部分から消火器までの歩行距離が二十メートル以内となるよう配置することが基本となります。