消火器の能力単位とは?必要単位の計算方法を数字で解説(50㎡・100㎡・200㎡・400㎡)

能力単位は「必要な消火性能の量」を示す指標です

消火器の設置基準では、単に本数を配置するのではなく、防火対象物の用途や規模に応じて必要な消火能力の総量を確保する考え方が採られています。このとき用いられる指標が「能力単位」です。

能力単位は、防火対象物の用途区分と面積を基礎として算定され、まず必要単位数を求め、その後に歩行距離20m以内となるよう配置を検討する流れで整理します。


能力単位算定の基本的な面積区分

能力単位の算定では、防火対象物の用途区分に応じて、次の面積区分が基準として用いられます。

  • 50㎡

  • 100㎡

  • 200㎡

  • 400㎡

どの面積区分が適用されるかは用途区分により異なりますが、これらの数値を基準として、延べ面積または床面積を除して必要能力単位数を求める考え方となっています。


用途区分による能力単位の目安

一般的な整理として、能力単位の算定は次のようなグループ分けで理解すると把握しやすくなります。

  • 不特定多数の利用が想定される用途など

    → 50㎡(耐火構造等では100㎡)ごとに1単位

  • 店舗、飲食店、共同住宅などの用途

    → 100㎡(耐火構造等では200㎡)ごとに1単位

  • 学校、図書館、工場、倉庫などの用途

    → 200㎡(耐火構造等では400㎡)ごとに1単位

実際の算定では、該当する用途区分および建物構造を個別に確認する必要があります。


少量危険物を取り扱う場合

少量危険物を指定数量の1/5以上貯蔵または取り扱う場合には、面積基準とは別に、危険物量に応じた能力単位の確保が必要となります。

この場合、必要能力単位数は

少量危険物の数量 ÷ 指定数量

の考え方に基づいて算定します。

用途や延べ面積にかかわらず適用される点に注意が必要です。


指定可燃物を取り扱う場合

指定可燃物についても、一定数量以上を貯蔵または取り扱う場合には能力単位による算定が必要となります。

この場合の基本的な考え方は、

指定可燃物の数量 ÷(指定可燃物の単位数量 × 50)

により必要単位数を求める整理となります。


電気設備がある場所

変圧器、配電盤その他これらに類する電気設備が設置されている場所については、当該電気設備のある部分の床面積100㎡ごとに、消火器を1個以上設けることとされています。

この規定は能力単位算定とは別枠で適用されるため、面積基準による必要単位数を満たしていても、電気設備区画の確認が必要です。


多量の火気を使用する場所

鍛造場、ボイラー室、乾燥室など、多量の火気を使用する場所がある場合には、当該場所の床面積25㎡ごとに必要能力単位数を算定する考え方が適用されます。

一般部分よりも細かい基準となるため、火気使用室の有無の確認が重要になります。


配置は歩行距離20m以内が基本

必要能力単位数を満たした後は、各部分から消火器までの歩行距離が20m以内となるよう配置することが求められます。

ここでいう歩行距離は実際の通行経路に沿った距離で判断し、図面上の直線距離ではない点に注意が必要です。

能力単位の充足と配置基準は、それぞれ独立して確認する必要があります。


まとめ

消火器の能力単位は、防火対象物の用途区分と面積に応じて必要な消火性能の量を算定するための指標です。算定の基準となる面積は、50㎡・100㎡・200㎡・400㎡の区分が基本となります。

また、少量危険物(指定数量の1/5以上)や指定可燃物を取り扱う場合、電気設備がある場合、多量の火気を使用する場所がある場合には、それぞれ別の算定基準が適用されます。

必要能力単位数を満たした後は、各部分から消火器までの歩行距離が20m以内となるよう配置することが基本となります。

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