スプリンクラー設備の設置基準|用途別にみる設置が必要となる具体条件(面積・階数)

用途別の設置基準は「延べ面積」「床面積」「階数」で具体的に分岐します

スプリンクラー設備の設置要否は、用途区分ごとに、建物全体の規模(延べ面積)と、特定の階・部分の規模(床面積)、さらに階数条件を組み合わせて判断する構造になっています。

ここでは、用途ごとに「どの条件で設置対象となるか」を、数値条件として整理します。


劇場・集会場等(舞台を含む用途)

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • (建物全体の規模) 平屋建以外で、延べ面積 6,000㎡以上

  • (地階・無窓階) 地階または無窓階に該当する部分があり、当該部分の床面積 1,000㎡以上

  • (4〜10階) 4階〜10階に該当する部分があり、当該部分の床面積 1,500㎡以上

  • (11階以上の建物) 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • (11階以上の階) 11階以上の階にある用途部分は、用途部分の全部

また、舞台を有する場合には、舞台部の床面積が一定規模(300㎡以上または500㎡以上)となると、延べ面積の大小にかかわらず舞台部が設置対象となる取扱いがあります(舞台部の定義には、舞台に接続して設けられる大道具室・小道具室等が含まれる整理です)。


遊技場・キャバレー等(不特定多数の利用が想定される用途の一部)

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 6,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,000㎡以上

  • 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • 11階以上の階にある用途部分の全部


料理店・飲食店等

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 6,000㎡以上

  • 地階または無窓階の用途部分の床面積 1,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,500㎡以上

  • 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • 11階以上の階にある用途部分の全部


百貨店等(物品販売のうち一定規模の用途)

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 3,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,000㎡以上

  • 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • 11階以上の階にある用途部分の全部


旅館・ホテル等(宿泊を伴う用途)

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 6,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,500㎡以上

  • 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • 11階以上の階にある用途部分の全部


医療施設(病院・診療所等)

医療施設は区分により基準が大きく異なります。

介助が必要な者を主として収容する区分(病院/有床診療所の一部)

この区分では、規模(面積)にかかわらず「全部(用途部分全体)」が設置対象とされる場合があります。

上記以外の病院・有床診療所・有床助産所の区分

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 3,000㎡以上

  • 地階または無窓階の用途部分の床面積 1,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,500㎡以上

  • 階数条件により「全部」とされる場合がある(用途部分全体が対象となる可能性がある)

無床診療所・無床助産所の区分

この区分では、平屋建以外で延べ面積 6,000㎡以上が設置対象となる整理があります(その他の条件は用途区分と建物条件の組合せで変動します)。


福祉施設等(入所・収容を伴う用途の一部)

老人短期入所施設、救護施設、乳児院、障害児入所施設、障害者支援施設等の一部区分では、規模(面積)にかかわらず「全部」が設置対象と整理されている区分が含まれます。

また、同種の用途でも、介助がなければ避難できない者を主として入所させるもの以外については、延べ面積 275㎡以上で設置対象となる可能性があります。


蒸気浴場等

次のいずれかに該当する場合、設置対象となります。

  • 平屋建以外で、延べ面積 6,000㎡以上

  • 地階または無窓階の用途部分の床面積 1,000㎡以上

  • 4階〜10階の用途部分の床面積 1,500㎡以上

  • 階数が11階以上となる場合、用途部分の全部

  • 11階以上の階にある用途部分の全部


倉庫のうちラック式倉庫(天井高が大きいもの)

ラック式倉庫については、天井高が10mを超える場合に、延べ面積が一定以上となると設置対象となる場合があります。

具体的には、延べ面積 700㎡以上を基本として、構造等により 1,400㎡、2,100㎡といった基準が置かれています。


地下街・準地下街

地下街は、延べ面積の算定に一定の考え方が置かれたうえで、延べ面積 1,000㎡以上を基準として設置対象となる場合があります。

準地下街も、延べ面積 1,000㎡以上を前提に、条件を満たすと設置対象となる場合があります。


まとめ

用途別の設置基準は、延べ面積・床面積・階数条件の組合せにより決まります。特に、不特定多数の利用が想定される用途、宿泊を伴う用途、医療・福祉の一部区分では、比較的厳しい条件が設定されています。

設置要否の判断では、用途区分を確定したうえで、該当する面積条件と階数条件をあわせて確認することが重要です。

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