スプリンクラーヘッドの設置を要しない部分|免除・緩和の対象となる場所
目次
「建物が設置対象」でも「全ての部分が対象」とは限りません
スプリンクラー設備の設置が必要な防火対象物であっても、スプリンクラーヘッドの設置は、建物内のすべての部分に一律に求められるとは限りません。
一定の部分については、火災危険性の程度や、放水の影響、設備の効果が期待できるかどうかなどの観点から、設置を要しない取扱いが整理されています。
ここで重要なのは、免除・緩和が「建物まるごと」ではなく、部分(区画や室等)単位で判断される点です。
火災発生の危険が少ない場所
火気の使用が想定されにくい場所、可燃物の蓄積が想定されにくい場所などは、火災発生の危険が少ないものとして、設置を要しない部分に整理されることがあります。
代表例として、浴室・便所その他これらに類する場所、エレベーターの機械室、機械換気設備の機械室等が挙げられています。
また、一定の用途・条件のもとで、床下・地下・収納設備等のうち床面積が2㎡未満の部分などが示される整理もあります。
二次的な被害を生ずるおそれのある場所
スプリンクラーは放水を伴うため、場所によっては放水による二次被害が大きくなる可能性があります。
そのため、通信機器室、電子計算機機器室、電子顕微鏡室等、ならびに発電機・変圧器等の電気設備の設置場所など、機能損失の影響が大きい場所が、設置を要しない部分として整理されることがあります。
医療関係では、手術室、分べん室、内視鏡検査室、人工血液透析室、麻酔室、重症患者集中治療室等、特別な管理が必要な場所が例として挙げられています。
この区分は、単に「重要な部屋」であれば無条件に対象となるという意味ではなく、二次被害との関係で整理されている点が前提となります。
効果が期待できない場所
放水しても十分な効果が期待できない場所は、設置を要しない部分として整理されることがあります。
例として、エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクト等が挙げられています。
また、直接外気に開放されている廊下等、外部の気流が常時流通する場所も、この区分に含まれる場合があります。
さらに、劇場等の固定式いす席部分で、スプリンクラーヘッドの取付高さが8m以上となる場所が例示されています。
代替区画として整理される部分
一定の区画条件を満たす部分について、面積算定や設置範囲の考え方が変わる場合があります。
この区分は、区画の成立性(壁・床の区画、開口部の大きさや処理等)を前提とするものであり、「区画がある」という事実だけで一律に適用されるものではありません。
特定主要構造部が耐火構造であることを前提とする整理
特定主要構造部が耐火構造であることを前提に、用途区分と区画構成の組合せにより、スプリンクラーヘッドの設置を要しない部分がある場合があります。
この場合も、建物全体の設置要否とは別に、「どの部分が対象となるか」を区画条件で判定する構造です。
まとめ
スプリンクラー設備が必要な建物であっても、ヘッド設置を要しない部分が整理される場合があります。
ただし、免除・緩和は部分単位での取扱いであり、火災危険性、二次被害の可能性、効果の有無、区画条件の成立など、一定の前提条件のもとで判断されるものです。
したがって、「不要となり得る場所の類型」と「その類型が成立する条件」をあわせて確認することが重要です。