スプリンクラーの代替区画とは|区画面積・開口部・防火戸などの具体要件

代替区画は「区画条件を満たす部分」を対象とする

スプリンクラー設備の要否判定では、一定の区画条件を満たす部分について、面積算定や設置範囲の考え方が通常と異なる整理が置かれています。

ここでいう代替区画は、耐火構造の壁・床等で区画された部分を前提に、区画面積、開口部の大きさ、開口部の構造、内装制限などの条件を組み合わせて成立するものです。


区画の大きさ(上限)

区画の大きさには上限が設定されています。

  • 11階以上の場合:区画面積 100㎡以下

  • 10階以下の場合:区画面積 200㎡以下

この「区画面積」の上限は、代替区画として扱う前提条件のひとつであり、超える場合は別の取扱いとなります。


開口部の大きさ(合計と単体の上限)

区画に設ける開口部には、次の制限が示されています。

  • 開口部の面積の合計:8㎡以下

  • 1つの開口部の面積:4㎡以下

また、外壁の窓等は、開口部面積に算入しない取扱いが示されております。


開口部の構造(防火設備・防火戸)

開口部の構造については、区画の成立に直結する条件が置かれています。

  • 防火設備としての防火戸について、自動閉鎖機構を備え、感知器と連動して閉鎖できること等が求められる整理があります。

  • ただし、廊下と階段を区画する部分以外では、防火シャッターが認められない整理が示される場合があります。

  • 防火戸を用いる場合には、一定の条件(例:防火シャッター以外であること、二方向避難ができる部分の出入口以外の開口部であること、外気に開放された廊下・階段等に面していること、開口部面積合計4㎡以下等)を満たすことが前提とされます。


居室から地上に通ずる主たる廊下・階段等に設ける戸の寸法条件

居室から地上に通ずる主たる廊下・階段等に設ける戸については、寸法条件が示されています。

  • 幅 75cm以上

  • 高さ 1.8m以上

  • 下端の床面からの高さ 15cm以下

また、直接手で開くことができ、かつ自動閉鎖部分を有することが前提とされます。


基準面積による区画仕様の違い(1,000㎡を境とする場合)

区画仕様は、基準面積が一定以上かどうかで分岐します。

  • 基準面積が1,000㎡未満の場合:居室を準耐火構造の壁・床で区画する場合

  • 基準面積が1,000㎡以上の場合:居室を耐火構造の壁・床で区画する場合

さらに、壁・天井の内装について、地上に通ずる主たる廊下その他の通路は準不燃材料、その他の部分は難燃材料とする整理が示されます(例外として、もっぱら職員が使用することとされている居室を除く等の場合があります)。


小規模施設に関する整理(延べ面積100㎡未満を前提とする類型)

一定の用途区分について、延べ面積100㎡未満の小規模施設で、入居者等の居室が避難階のみに存在するものを前提として、次の要件が組み合わされる整理があります。

  • 居室を壁・床等で区画し、出入口に戸(随時開くことができる自動閉鎖装置付きのものに限る)を設けること

  • 感知器は、一定の例外を除き煙感知器を用いること

  • 居室に屋外および屋内から容易に開放できる開口部を設けること

  • 開口部が、道または道に通ずる幅員1m以上の通路等に面していること

  • 開口部の形状が、避難を妨げるものではないこと

  • 居室から2以上の異なった避難経路を確保していること

  • 避難に要する時間が一定の方法で算出され、火災時に確保すべき避難時間を超えないこと


共同住宅に関する整理(延べ面積275㎡未満等を前提とする類型)

共同住宅に関しては、用途部分全体の延べ面積が275㎡未満であることを前提に、次の要件が組み合わされる整理があります(他用途を含まないこと等の前提が付される整理が示されます)。

  • 各住戸を準耐火構造の壁・床で区画すること

  • 主たる出入口が、直接外気に開放され、かつ火災時の煙を有効に排出できる廊下に面していること

  • 主たる出入口に防火戸等を設けること

  • 壁・天井の内装仕上げを、廊下に通ずる通路は準不燃材料、その他は難燃材料とすること

  • 居室・通路に煙感知器を設けること

  • 各住戸の床面積が100㎡以下であること


まとめ

代替区画に関する整理は、区画面積(11階以上100㎡/10階以下200㎡)、開口部(合計8㎡・単体4㎡)、防火戸等の構造条件、内装制限、さらに小規模施設(延べ100㎡未満)や共同住宅(延べ275㎡未満・住戸100㎡以下)といった類型ごとの要件を、組み合わせとして満たすことを前提としています。

したがって、適用の可否は単一の数値だけでは決まらず、数値条件と構造条件が同時に成立しているかどうかで判断されます。

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